肝炎とは?:
肝臓が炎症をおこした状態が肝炎です
肝炎とは肝臓疾患の一つで、肝臓が炎症を起こし、それによって細胞が壊れてしまう病気です。肝臓の細胞は壊され続けると、その部分が硬くなり、肝臓の働きが徐々に悪くなります。しかし肝臓は、その働きが健康なときのおよそ30%まで低下しても、症状があらわれにくいため、“沈黙の臓器”といわれています。そして肝臓の炎症が6ヵ月以上続いた状態が「慢性肝炎」です。「慢性肝炎」になり、炎症がさらに長期化すると、肝硬変、肝がんになりやすくなります。
「慢性肝炎」の原因は?:
大部分が肝炎ウイルスの感染です
慢性肝炎の原因には、ウイルスの感染、薬の服用、アルコールの過剰摂取、肥満など、さまざまなものがありますが、その大部分が肝炎ウイルスの感染によるものです[1]。肝炎ウイルスにはA型、B型、C型、D型、E型が知られていますが、日本では慢性肝炎のうち、B型肝炎ウイルスの感染によるB型慢性肝炎が15~20%、C型肝炎ウイルスの感染によるC型慢性肝炎が約70%を占めています[1]。
日本には、B型またはC型肝炎ウイルスの感染者は、
合わせて約210万~280万人いると言われています
日本にはB型肝炎ウイルスに感染している方は約110万~125万人[2]、C型肝炎ウイルスに感染している方は約100万~150万人と推定されています[2]。
現在、B型またはC型肝炎ウイルスのどちらかに感染している方の9割以上は40歳以上ですが、近年、性的接触や刺青(タトゥー)などにより若い方にも増えています。
「一過性感染」と「持続性感染」
肝炎ウイルスの感染には、「一過性感染」と「持続感染」があります。
一過性感染 | 持続感染 |
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感染後に体がだるい、食欲がない、吐き気などの症状が出た後、自然にウイルスが排除されて治ってしまう一時的な感染 | 体内からウイルスが排除されず肝臓の中にウイルスがすみつく持続的な感染 |
そして、「持続感染」のように、肝炎ウイルスに持続的に感染している人は「キャリア」と呼ばれます。
B型またはC型肝炎ウイルスの「キャリア」となり、そのウイルスの活動が活発になったとしても自覚症状は無いか、あっても軽い場合が多く、患者さん自身でB型またはC型肝炎ウイルスの「キャリア」であるということに気付くことは稀だと言われています。