近年、B型またはC型慢性肝炎の治療(特に、直接それぞれの肝炎ウイルスに作用する「抗ウイルス治療」)は、著しく進歩しました。それによって、
- B型慢性肝炎では、B型肝炎ウイルスの増殖を長期間抑えることができる割合が高まりました。
- C型慢性肝炎では、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)によりC型肝炎ウイルスが排除され、治療終了後もC型肝炎ウイルスが検出されない状態が持続するウイルス学的著効(SVR)が得られる可能性が高まりました。
もし、ご家族の中で、
- これまで一度もB型またはC型肝炎ウイルス検査を受けたことがない
- B型またはC型肝炎ウイルスに感染していることが分かっているけど治療に前向きになれない
という方がいらっしゃる場合は、ぜひ下記より「ご家族説明用チラシ」をダウンロードしていただいて、ご家族で、「肝炎のリスク」や「治療法」、そして「早期発見(=早期検査)」や「適切な治療」の大切さについて話し合ってみてください。
①B型またはC型慢性肝炎は、早く受診し、
治療を開始することが重要です
「B型慢性肝炎」も「C型慢性肝炎」も、症状はないか、あっても軽い場合が多く、生死に関わる病気とは認識しにくいかもしれません。しかし、そのまま治療をせずに放置すると、肝臓は徐々に侵され、肝硬変、そして肝がんへと進展し、ご家族との貴重な時間が失われてしまいます。これらの「慢性肝炎」が肝硬変や肝がんに進む前に、肝臓専門医を受診し、適切な治療を開始することが重要です。
②B型またはC型肝炎ウイルス検査は、
数分で終わる簡単な血液検査です
以下に該当する方は、是非一度B型またはC型肝炎ウイルス検査を受けてみましょう。
- B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、肝硬変、肝がんを発症したご家族がいらっしゃる方
- 健康診断などで肝臓の働きの指標(肝機能検査値)に異常を指摘されたことがある方
- 刺青(タトゥー)を入れたり、医療機関以外でピアスの穴をあけたことがある方でこれまで一度もB型またはC型肝炎ウイルス検査を受けたことがない方
③B型またはC型慢性肝炎の治療は著しく進歩しました
B型慢性肝炎やC型慢性肝炎の治療は、最近では飲み薬だけで行う治療も登場しています。特にC型慢性肝炎では1日1~2回服用の薬も登場し、治療期間も短縮され、治療効果も向上しました。
下記のような患者さんにも効果が期待できます。
- インターフェロンの副作用のため抗ウイルス治療を行うことができなかった患者さん
- インターフェロン治療を行っても肝炎ウイルスを排除できなかった患者さん
- 肝炎を再発した患者さん
④B型またはC型肝炎の抗ウイルス治療では、
医療費助成を受けることができます
世帯の市町村民税 (所得割)年額 |
自己負担限度月額 |
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235,000円以上の患者さん | 20,000円 |
235,000円未満の患者さん | 10,000円 |