B型またはC型慢性肝炎だと診断されましたが、症状がないので、すぐに治療を開始しなくても大丈夫ですか?
B型またはC型慢性肝炎では多くの場合、患者さんが自覚する症状はほとんどありません。しかし、そのまま治療をせずに放置すると、肝臓はだんだん硬くなり、肝硬変および肝がんへと進展するリスクが高まります。B型またはC型慢性肝炎が肝硬変や肝がんへと進む前に治療を開始することが重要です。
B型慢性肝炎治療にはどのようなものがありますか?
B型慢性肝炎治療には、B型肝炎ウイルスを攻撃してウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス治療」と、肝臓を保護して、肝臓の機能を維持する「肝庇護療法」があります。B型慢性肝炎の原因を抑えることができる「抗ウイルス治療」では、通院が必要な注射薬だけでなく、飲み薬も選択肢に加わりました。これらの治療法の中から、患者さんの状態に応じて適切な治療が選択されます。
C型慢性肝炎治療にはどのようなものがありますか?
C型慢性肝炎の薬物療法には、肝炎ウイルスを攻撃してウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス治療」と、肝臓を保護して、肝臓の機能を維持する「肝庇護療法」があります。
従来、C型慢性肝炎の抗ウイルス治療は、注射薬であるインターフェロン治療がメインでしたが、最近ではインターフェロンを使わずに、飲み薬だけで治療を行うインターフェロンフリー治療が登場しました。治療期間も短くなり、患者さんの体への負担も少なくなっています。これらの治療法の中から、患者さんの状態に応じて適切な治療が選択されます。
B型またはC型肝炎の治療にはどれぐらいの費用がかかりますか?
B型またはC型肝炎に対する抗ウイルス治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療)は、いずれも高額医療になりますが、各都道府県の自治体に申請することで、医療費助成を受けることができ、原則、月あたり10,000円(所得に応じて20,000円になる)で治療を受けることができます。
世帯の市町村民税 (所得割)年額 |
自己負担限度月額 |
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235,000円以上の患者さん | 20,000円 |
235,000円未満の患者さん | 10,000円 |
B型またはC型慢性肝炎を他の方にうつさないためには、どうしたらよいですか?
B型またはC型肝炎ウイルスの感染拡大を防ぐためには、下記のようなことに注意しましょう。
- 歯ブラシ、カミソリ、ピアスなど血液が付いている可能性のあるものを他人と共用しないようにしましょう。
- 血液や体液の付着したものは、むき出しにならないようにしっかり包んで捨てるか、流水でよく洗い流してください。
- 外傷、皮膚炎、鼻血、月経血などは、できる限り自分で手当てしてください。
- 他人の血液に触れるときは、ゴム手袋を付けてください。
- ピアスをするときは、適切に消毒された器具であることを必ず確かめてください。
- 他人の血液が入る可能性がある刺青(タトゥー)は避けて下さい。
- 不特定多数の相手との性交渉は避けて下さい。
- コンドームを正しく使用して下さい。